魔のプライベートビーチ

プライベートビーチ

エントリーする現地に着いたら小雨だった。波高は前日の予測では1m程度。ところが今、ラジオでは今後波は3mに上がり警報級の雨も予想されると言っている。しかし、私には耳に入らなかった。なぜなら、私が切り開いたエントリールートに通行止めのロープが張ってあり、車が侵入出来ないのだ。誰が何の目的で張ったのか。私は頭に来た。苦労して開墾した道を勝手に閉鎖しやがって。

だったら別のルートでエントリーしてやる」必ずプライベートビーチへ行ってやると意地になっていた気がする。そして少し、怒りみたいなものがあったのかもしれない。クスリ漬け年金生活者だから、ベンザリンの易怒作用か、それとも抗不安作用か。波は高く感じなかった。危険も感じなかった。だから岩場を岸づたいに泳いで、目的のプライベートビーチに上がることが出来た。

泳ぐこと約15分程度である。しかしこのビーチは陸からは行けず、海を泳いでしか行くことが出来ない。だから人の来ないプライベートビーチなのである。ビーチの裏はソテツ・アダン・フクギなどのジャングル(密林)となっており、足を踏み入れることなど出来ない。もし入ってしまったら、迷って出られなくなってしまう。ましてこの時期だから、ハブが潜んでいるかもしれない。

この事実は知ってはいたが、大きな魚体を追うことに夢中で、忘れてしまっていた。ビーチは湾になっており、波はほとんどなく穏やかだった。沖のサンゴ礁が防波堤代わりになっていたのだ。油断した波はまだ静かだと錯覚してしまったのだ。実際は、湾の外で3mもの高波が襲い始めていたのだ。

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