やがて子供が大きくなり、ワゴンRの窓から頭や手足がはみ出すようになってしもうた。キャンプに行く時など、ルーフラックの荷物は巨大化して、車と同じくらいの容積の物体を載せなくてはならない。サスペッションは沈み込み、タイヤも半分つぶれている。カーブでは重心が上になり、何度もこけそうになった。
子供も「狭い狭い」と泣き叫んでいる。キャンプに行く時は、子供の一人を体をまるめて箱に詰め、荷物の中に埋めなければ、収まらない状態にまでなっていた。もう限界だった。そこでトヨタノアが登場する。3年落ちの中古車だ。唯一無二の北谷マイカーランドにて購入した。
なんせこの車8人乗りでデカイ。安心感に包まれていた。「今までよりも一列座席が多い」と子供が喜んだ。そして、このノアで子供たちは受験戦争へと立ち向かうことになる。通学・予備校への送り迎え・受験本番と、子供たちの人生の節目を一緒に走った。
そしてクスリ漬け年金生活者が母親を引き取ってからは、ノアは母親のためにも活躍することになる。通院や教会への送迎、市場への買い出し、自治会や老人会の行事、祭祀。ついに第三世代へまで活躍の機を伸ばした。毎年1月には、花見が恒例行事となっていた。
コメント