プライベートビーチ

年金生活者と朝の来ない夜

何か全身が暑い。全身が海水でズブ濡れなのだが、暑くて、暑くてたまらない。思い切って、ウエットスーツの背中のジッパーをおろして、両手だけを出したら少しは楽になった。ウエットスーツは体にピシッとフィットするのできついのだ。それで体温を逃さないよ...
プライベートビーチ

年金生活者ついに野営に

しかし思っていたよりも事態は深刻だった。そうだ水がないのだ。ソルティライチが500mlの1/3程度。これが今ある全水分だ。1時間以上も全力でジャングルをさまよったから、喉がカラカラである。しかも厚手のウエットスーツなので全身汗だくである。6...
プライベートビーチ

クスリ漬け年金生活者と浜辺

気づくと呼吸も速いし脈も速い。このままでは体力を消耗してしまう。私は冷静になるために、その場にあおむけになった。そして眼を閉じて深呼吸を繰り返した。「ここは富士山の樹海ではない。歩いて入ったのだから、必ず歩いて出られる。それに出口の正確な方...
プライベートビーチ

年金生活者と出口のない密林

浜辺へ戻る決断はしたものの、どちらに進めばいいかわからない。あたりは真っ暗闇だし雨も降り出して来た。私は2年前のことを思い出した。密林の中から、どうやって抜け出せたか。私はダイビングキャップを外した。両耳が出た。これだ!遠くに波の音が聞こえ...
プライベートビーチ

年金生活者ジャングルで遭難

どれくらい時間が経ったろうか。気がつくとあたりはもう真っ暗だった。「このまま密林から出られず、力尽きて野垂れ死にするのか」イヤな考えが頭をよぎった。陸路で密林を強引に横切り、畑まで出られたらと思ってみたが、この状況では明らかに無理だ。このま...
ブレイク

年金生活者の終わらない夏 2023

クスリ漬け年金生活者の夏は終わらない。連日の台風一過で34℃あった外気温が久しぶりに30℃まで下がった。この夏、今しかブタの長(おさ)には会えるチャンスはない。意を決して午前のプールへと足を運ぶ。直射日光がきつい。「メガネ一番」で、一番濃い...
プライベートビーチ

年金生活者の迷い込んだ密林

プライベートビーチまで、なんとか戻ってくることが出来たが、波があとから追いかけて来るのではないかとの恐怖からパニック状態となっていた。そして気づいた時には、密林の奥深くまで逃げ込んでしまっていた。「海は波にさらわれたらすぐ死ぬ。ジャングルな...
プライベートビーチ

年金生活者波にさらわれる

強烈な戻る波の力が全身にかかり沖へと引っ張った。どんなに強く両手で岩をつかんでいても、足を岩にかけていてもダメだった。年金生活者は持ちこたえられなかった。「大波にさらわれる!」まさに現実となった。魔海に落ち、沖へと引っ張られた。両手、両足何...
プライベートビーチ

年金生活者と魔海

約2時間が経過。その時はもう、取り返しのつかないことになっているとは、まだ気づいていなかった。そろそろ帰ろうとして湾の外を見ると、サンゴ礁に白波が立つほどの高波が押し寄せていた。これはまずい。3mはあるだろう。いつの間にこうなったんだろう。...
プライベートビーチ

魔のプライベートビーチ

エントリーする現地に着いたら小雨だった。波高は前日の予測では1m程度。ところが今、ラジオでは今後波は3mに上がり、警報級の雨も予想されると言っている。しかし、私には耳に入らなかった。なぜなら、私が切り開いたエントリールートに通行止めのロープ...