年金生活者と明けた魔のビーチ

プライベートビーチ

でも真水だ。海水ではない。やはり神からのプレゼントか。とっさにそう思った。しかし、今後のことを考えると2口から3口しか飲む気にならなかった。もったいないからだ。

魔のプライベートビーチは明けた。そして、その全貌を見せた。何ということか。昨日の倍の高さの波が次から次へと押し寄せて来る。横一列にならび、かなり遠くから白波をたて、岸の近くで大きく盛り上がり、反転して下向きへの波と変わる。それがロール状になって岩場に当り轟音とともに砕け散る。これで海に入ったら命を捨てに行くようなものだ。素人でもわかる。一夜でこれほどまでに、かわるとは!

魔のプライベートビーチは入り江になっている。入り江から外洋は少ししか見えない。だから発見される可能性は限りなく低いのだ。118に通報していれば、ヘリコプターや巡視船が捜索に来てくれるはずだが、私が今日潜るとは誰にも言っていない。そしてこの悪天候で波高3mを超える海に、観光客でもない私が潜るはずないと、家族は思っていたらしい。

だが来てしまった。判断ミスだった波が高くなると帰れなくなるから「魔のプライベートビーチ」なのだ。そしてだれからもわかりにくい所にあるから「プライベート」なのだ。そしてとんでもなく美しく魅力的なビーチ。見たこともないような大型魚が悠々と泳いでいる。人が来ないから、あまり警戒心もなく、スピアフィッシングで簡単に大型の魚体が手に入る。この魅力が冷静な判断を狂わせたのだ

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