E-3G SENTRY

ベント

次に展示されていた機体はBoeing E-3G SENTRY。本機は嘉手納常駐機ではなく、オクラホマ州ティンカー空軍基地の第964空挺航空管制飛行隊に所属する。ボーイング社の旅客機B-707の派生型として開発された、早期警戒管制機(AWACS)である。

機体上部に、2本の支柱で支えられた巨大な円盤状のレーダードームが特徴的だ。レーダー情報を解析しながら、戦闘機や地上部隊への指令を出す。言わば、空飛ぶ作戦センターとしての役割を持つ。レドームの直径は9.1m、厚さ1.8m、支柱の高さは3.4mもあり、これが油圧により水平方向に毎分6回転する。

レドームの片側には、AN/APY-2パッシブフェーズアレイレーダーを搭載。探知距離は400km以上で、同時に600個以上の目標を探知し、うち200個以上を追尾出来る。またルックダウン時に、グランドクラッターを排除しつつ、低空を飛行する目標を追尾するための二次レーダーも統合されている。

もう片側にはAN/APX-103敵味方識別装置(IFF)が搭載されている。強力な電磁波を発生させるレーダーを装備する特性上、機体にはほとんど窓がない。唯一操縦席の窓は、強力な対電磁波防護対策が施されている。機体外壁や乗降ハッチも、対電磁波防護の施された分厚いものとなっている。それでもレーダー運用時には、乗員の髪は皆逆立つというからおそろしい電磁波パルスだ。

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