2026年1月の極北の地、カナダイエローナイフ。覚悟はしていたものの、ツアー中に体験した気温は、氷点下30℃。息を吸うだけで、鼻の奥が凍るような寒さだった。それでも、この地に来た理由はただ一つ。オーロラ鑑賞だ。今回のツアーでは、鑑賞チャンスが4回用意されていた。
最初の2回は雲に阻まれ空振り。正直、焦りも感じ始めた3回目の夜、オーロラ鑑賞サイトでついに空が動き出した。漆喰の闇の中に、淡いグリーンの光がすっと現れ、ゆらめくように広がっていく光景。やがてその光が、地上まで降り注ぐ。時が凍り付く。
言葉を失うとは、まさにこのことだった。そして、まるでご褒美のように、さらに力強いオーロラが全身を包む。緑のカーテンが揺れ、形を変えながら夜空を舞う姿は、写真や映像では決して伝わらない“生きた光”。初めて見るその光の神秘さは、実際に見た人でないと、決してわからない。
極寒の中で凍えながらも、心は何度も震える体験で満たされていた。だから、この何千キロと離れた極北の地までやって来たのだ。太平洋を渡り、永久凍土を越え、北極圏まで。イエローナイフで見るオーロラは、人生に刻まれる感動そのものだった。

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