実はEF63の本当の価値は、「引っ張る力」だけではない。むしろ、①下り坂抑速 ②空転防止 ③非常時停止保持 ④暴走防止 の安全側にあったのだ。つまりEF63は、“巨大ブレーキ付き補助機関車”でもあったのである。だから189系「あさま」も特別だった。
通常の特急電車は、「高速度巡航型」である。しかし189系「あさま」は、①高速性能 ②急勾配性能 ③協調制御 ④強力ブレーキ すべて備えていた。当時の国鉄特急の中でも極めて特殊な存在だったのだ。特急「あさま」はEF63との協調運転専用仕様だったわけである。
特急「あさま」に使われた189系電車は、EF63との協調運転ができるよう特別設計されていた。この「189系」の“9”には意味があるのだ。実は、碓氷峠対応車両を示す番号なのである。189系の誕生は1975年に遡る。183系1000番台をベースに、碓氷峠対応車両として新製されたのが189系なのだ。
初期189系の最大の特徴は、①EF63協調運転用ジャンパ回路の追加 ②横軽通過に必要な保安機器搭載 ③12両編成運転への対応 ④連結器・車体構造の強化 ⑤抑速ブレーキ強化 などだ。この189系登場によって、従来8両編成が限界だった「あさま」が11~12両編成化され、上野~長野間の輸送力が大幅に向上した。

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