乗客が忙しくホームを駆け回る中、あさまの最後尾ではEF63との連結作業が行われていた。EF63は特急あさまの直前で一旦停止して、またゆっくり前進。連結器が低い音をたてて、かみ合った。特急あさまもこれにあわせて、11両全体がガツンと揺れる。前もってアナウンスがあるから、乗客は驚かない。
連結が終わると、続いて協調運転のための接続作業が待っている。①ブレーキホースの接続 ②ジャンパ線接続 ③検査員による動作確認作業 などだ。特に「ジャンパ線接続」は、碓氷峠の協調運転を理解するうえで欠かせない重要な作業だ。
この「ジャンパ線」とは、機関車と電車の間で電気信号をやり取りするためのケーブルである。EF63と189系「あさま」が単なる「機関車+客車」ではなく、一体となって動けたのは、このジャンパ線のおかげなのだ。電車同士を連結するとき、先頭車の運転士が後ろの車両まで一括制御できるのもジャンパ線による信号伝送のおかげである。
189系にはEF63協調用の特別な回路が搭載されていた。これにより、EF63の運転士はEF63の運転台から、①EF63自身 ②特急あさまのモーター ③ブレーキ これら全部をまとめて操作するのである。これは当時としては超高度技術だった。EF63の運転士は特別の資格が必要で「超エリート」とよばれた。


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