追憶碓氷峠 12

タビ

すなわちEF63189系協調運転は、それまでの客車との粘着運転における単なる「補機運転」ではなく、「異形式車両による総括制御」とも言えるほど高度なシステムだった。EF63はこの協調運転で何を伝えていたのか?それは、例えば運転士がEF63マスコンで1ノッチを入れるとする。

するとジャンパ線を通じて ①EF63主電動機 ②189系主電動機 に同時に指令が送られた。つまり、「出力30%」「ブレーキ5段」「力行停止」といった命令を、電気信号として送っていたのである。協調運転による碓氷峠越えは操作が非常に難しく、「EF63運転士は超エリート」と言われた由縁である。

そう碓氷峠運転資格別格だった。①専用訓練 ②専用免許 ③特殊ブレーキ操作 ④協調制御 これらが必須とされたのだ。「横軽(よこかる)」乗務員は国鉄でも花形だった。ここ横川機関区では24時間体制EF63を稼働させるため、最盛期にはEF6325両。その運転士100人以上抱えていた。

では実際の運転状況はどうだったのか? 特急あさま11両編成EF63(2両)66.7‰の峠を時速30~40㎞で進む。特急「あさま」が峠へ挑むと、モーター音EF63唸りブロワー音抑速ブレーキ音が混ざり合い、ものすごい迫力だった。特にトンネル内では轟音となり、車内では会話が出来ないほどだった。

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