追憶碓氷峠 24

タビ

実際EF63の運転士の体験談によると、下り勾配ではまず発電ブレーキを主体に使い、必要に応じて電磁吸着ブレーキを併用したそうである。電磁吸着ブレーキが作動すると、車体に独特の振動と「ゴーッ」という音が伝わり、「機関車がレールをつかんでいる」感覚があったと言っている。

この強力なブレーキのおかげで、特急「あさま」や貨物列車は、横川~軽井沢間11.2kmを安全に通過することが出来たのである。実はEF63最大の特徴は協調運転ではなく、「66.7‰を安全に下れるブレーキシステム」だったとも言える。

鉄道ファンの間では、この電磁吸着ブレーキこそ、EF63の真骨頂だと評価する人も少なくない。このEF63の開発は古い。試作機が完成したのは、1962年(昭和37年)である。実際の碓氷峠で何度も試験を行い、①ブレーキ性能 ②粘着性能 ③冬季の着雪 ④空転対策 などが徹底的に検証された。

それでは、なぜ「2両1組」になったのか? 実は開発当初、「1両でいけるのでは?」という考えもあった。しかし試験を繰り返した結果、66.7‰では ①制動余裕 ②粘着力 ③安全余裕 が不足することが判明。そこで最終的に、EF63は必ず重連(2両1組)という運用が決まった。このルールは引退まで変わらなかった。

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