追憶碓氷峠 34

タビ

長野新幹線開業当初、乗客から、「高崎を過ぎるとトンネルだらけで景色が何も見えない。」という苦情にも似た声も聞かれた。果たして本当だろうか?東京〜高崎は既存の平野部(上越新幹線区間)であるため、トンネルらしきものには乏しい。本当に山岳新幹線になるのは、高崎〜長野:約117kmの区間である。

この区間では、トンネルの総延長:約63.4kmなので、63.4 ÷ 117 × 100= 約54%となる。 つまり、高崎を過ぎてから長野までの半分以上がトンネルの中の暗闇を突っ走っていることになる。これでは、乗客から「紅葉などの美しい景色を見ることが出来ない。期待外れだ。」と不満が出ても、もっともだ。

しかし最高速度が「特急あさま」の120km/hに対して、「新幹線あさま」はなんと260km/h。2倍以上の速度を誇る。平均速度を比べてみても、「特急あさま」が76km/h、「新幹線あさま」が168km/hとこちらも2倍以上である。これでは不満を言っている間に、目的地に着いてしまう。

それなら、降りてから景色を堪能すればいいことだ。とくに新幹線では、高速化を実現するためには様々な工夫が採用されている。高崎駅から3.3kmの地点で列車が上越新幹線から長野方面へ分岐する際、できるだけスピードダウンによる時間ロスを少なくするため、新たに開発された国内最速(通過速度160km/h、長さ135m)高速分岐器である38番分岐器を設置したのも、その一例だ。

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