追憶碓氷峠 53

タビ

それでは、この長野新幹線建設費8,282億円という巨額投資は、誰が出したのか? 昔の東海道新幹線のように、「JR東日本が全部建設して所有」という方式ではないのだ。整備新幹線方式では、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が 新幹線設備を建設した。そしてそれをJR東日本に貸し付ける形である。

すなわち、国家が大部分の建設費を負担したのである。したがって、結局は国民が税金として負担したことになる。 そのほかに、群馬県・長野県などの住民も地方税などを通じて負担 している。さらに、JR東日本は貸付料を支払う。また利用者も運賃を支払うことで、間接的に建設費の回収に貢献しているのである。

つまり、国民全体・沿線自治体・利用者・JR東日本が、それぞれ役割を分担して支えた国家プロジェクトだったということになる。それでは、JR東日本はいくら支払う契約なのか? 長野新幹線では、年間約175億円の貸付料が設定されている。そして30年間支払う前提で制度設計された。

単純計算すると、175億円 × 30年=約5,250億円 となる。もちろん、これは建設費をそのまま30年で返済するという意味ではなく、「新幹線によってJR東日本が受ける利益(受益)」を基に設定された金額である。だから差額の3,000億円は、国費・地方負担・整備新幹線全体の制度から賄うことになる。

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