それでは、経済的側面からの分析に移る。「EF63形補助機関車で碓氷峠を越えていた時代」と、「長野新幹線(現在の北陸新幹線)時代」とでは、どう変わったのか? それは、単なる速度向上だけではなく、東京~長野間の鉄道ビジネスそのものが変化したのだ。
新幹線化によって所要時間が約半分になり、利用者数は大きく増加した。しかし、輸送力を大幅に増やしたため、乗車率という点では必ずしも常に満席ではなく、「大量輸送による経済効果」を狙った構造となった。一日の乗客数の変化は、どうだろう。
1996年頃の在来線「特急あさま」「特急白山」などの利用状況では、1日平均 約18,000人(上下計)程度であった。ところが、翌年、新幹線開業初年度では、1日平均 約25,000人まで増加している。つまり、約7,000人増で前年比約140%に及ぶ。
さらに2000年代に入ると、利用客は30,000人に迫るまで増加している。つまり、新幹線は在来線利用者を奪っただけではなく、新しい需要を創出したのだ。具体的には、①東京~長野間の日帰りビジネスが可能になった ② 観光客増加(軽井沢・長野市・善光寺・戸隠・スキー場)などである。

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