追憶碓氷峠 48

タビ

トンネル内では、「列車が空気のピストンのような役割」をする。このため列車の前方では気圧が上がり、後方では気圧が下がる。まずトンネルの入口で何が起こるのか? 例えばE7系「あさま」260km/h(約72m/秒)でトンネルに進入するとする。トンネルの断面積は列車より少し大きいだけである。

そのため、先頭車は前方の空気を押しのけながら進む。これは注射器のピストンと同じ状況だ。① 先頭車の前では、空気が逃げ場を失う。すると、空気が高圧に圧縮される。これは圧縮波(Compression Wave)と呼ばれるものだ。② この圧縮波はどうなるのか?

この圧縮波は時速ではなく、音速(約340m/s)でトンネルの奥へ進むのだ。つまり、列車より約5倍速くトンネルの出口へ到達する。 ③ トンネル出口ではどうなるのか? 圧縮波が出口へ到達すると、一気に外へ放出される。これが有名な、トンネル微気圧波である。

トンネル微気圧波により、昔は「ドーン」という音が出た。これが「トンネルドン」と呼ばれる現象である。しかし現在は、先頭車を長く、ロングノーズ化することで、かなり小さくなっている。③車体の横では? 列車とトンネル壁の間は狭いので、空気は猛烈な速度で流れる。この風速は、100km/hを超えることもあるのだ。

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