ウチュウジン保護

セイシンカ

いつまでみんなで飛び跳ねていればいいのか。これも仕事か?時間外の超勤を書いてもいいのか?足も痛くなって来た。15分。20分。やっと車から白衣の職員が降りて来た。病棟の大先輩が2名来てくれたのだ。そして徳畑君は抵抗することなく、地球人に連れられて行った。

どうやって保護室から出られたのか。なぜ私の家がわかったのか。なぜ来たのか。それは大きな謎だった。スタッフが聞いても答えない。「あとをつけられて、家がわかったのではないか」と言う人もいたが、私は車で通勤している。彼は車の免許も持っていない。走って追いかけられる距離ではない。

「車のナンバーを記憶して見つけたのではないか」という人もいたが、それでは、こんな短時間にアパートの部屋番号までわかるはずがない。ついに地球人の頭脳では、謎は解けなかった。そして、「これを今年の看護研究にして発表しよう」という者まで現れた。人の不幸を題材に、勝手なものである。

後々、私が徳畑君から直接を聞き出した。すると、彼は紙に「デンパ デンパ」と書いて渡した。彼の身振り、手振りの説明によると、私が頭から発信している微弱な電波(脳波)を追いかけて、家までたどり着いたという。彼が言うには、人は、それぞれ特有のデンパ(脳波)を発信しているとのことだった。それが彼には聞ける、あるいは見えるらしい。そして個人を識別出来るという。 彼は生まれながらにして、音声が聞き取れない代わりに、生きていくために別の能力を進化させたのだ。デンパが入るという患者も多いが、まんざら嘘でもなさそうだ。全て幻聴でかたづけてしまうのも、乱暴すぎると思う。

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