追憶碓氷峠 55

タビ

その「地域輸送網の分断」とは何か? これが最大の問題である。横川~軽井沢間の路線廃止後、群馬県側と長野県側の鉄道が分断されてしまった。きのうまで、電車で一駅だった軽井沢へは、もう永遠に行けなくなったのだ。不便で一日数便しかないバスに、頼るしかなくなったのだ。

これは、地元住民にとって、とてつもなく残酷な話であった。単なる「赤字路線の廃止」にとどまらず、陸の孤島を生み出したのだ。横川地区の住民にとっては、長野新幹線の開業は「新幹線が開通した」という恩恵よりも、「生活の足を失った」という実感の方が強かった。

とくに車を持たないお年寄りや学生、通勤者にとっては大打撃となった。まさか、毎日新幹線で通学するわけには行かない。バスの便が合わず、進学先や転校を余儀なくされたのだ。JR東日本は利益追求のために、並行在来線撤退を決定した。これは「社会的責任の放棄」と言わざるを得ない。

現在、信越本線は横川が終着駅である。もう軽井沢そして長野まで行かないのだ。1997年10月1日をもって消滅したのである。JR信越本線の横川~軽井沢間(11.2km)が廃止、碓氷峠を鉄道で越えるルートが消滅、横川駅は「終着駅」となり、長野方面へは列車で行けなくなった。

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