追憶 碓氷峠 67

タビ

それでは、そもそも、何を世界遺産にするのか? 安中市が中心に据えているのは、現在の「旧碓氷峠鉄道施設」だ。文化庁のデータベースでは、これは旧信越本線の松井田~軽井沢間に残る鉄道施設で、煉瓦造橋梁7基・隧道11基・変電所3棟・その他の関連施設 などから構成される重要文化財である。

橋梁・隧道は1893年の開通時、変電所は1912年の電化時と、1937年に建設されている。代表格が、碓氷第三橋梁(めがね橋)と旧丸山変電所だ。めがね橋は高さ約31m、橋長91.1mの4連アーチ橋で、1893年の開業時から残る象徴的施設である。

文化庁も「近代/産業・交通・土木」の重要文化財として扱っている。旧丸山変電所はさらに興味深い。1912年、碓氷線の電化に伴って造られ、交流6,600Vを直流650Vに変換して、電気機関車へ供給する。まさに碓氷峠のアプト式電気鉄道システムの「心臓部」であった。

旧丸山変電所は、正面から見ると一つの大きな建物のように見えるが、重要文化財としては、煉瓦造りの2棟から構成される。それは機械室と蓄電池室である。建物そのものが大変貴重なものなのである。安中市は「純煉瓦造り」で、明治期の煉瓦建築の最盛期に、造られた建物と説明している。

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