追憶碓氷峠 25

タビ

それでは、EF632両運転士はそれぞれ必要か? 実は、協調運転は1名だけで行われた。運転士は先頭のEF63の運転台に乗務し、後ろのEF63は、総括制御(そうかつせいぎょ)で同時に操作されていたのである。総括制御とは、1本のマスコンブレーキ弁で、2両を同時に動かす仕組みだ。

運転士が ①力行(加速) ②発電ブレーキ ③空気ブレーキ ④電磁吸着ブレーキ を操作すると、後ろのEF63も全く同じように動作する。軽井沢向けに碓氷峠を登るときの車両編成は、EF632両特急あさま11両編成の最後尾について、押し上げるかたちをとった。

それは、必然的にこの編成しか考えられなかったからなのである。理由は単純である。 ①列車全体を後ろから押して登坂力を補う ②客車や電車の連結器にかかる引張力を減らせる ③万一連結器が破損しても列車が後退しにくい ためだ。

特急「あさま」11両編成を、先頭からEF63で引っ張ると、各車両の連結器に非常に大きな力がかかる。後ろからEF63が押し上げることで、その力が分散されたのである。くわえて「あさま」の動力車モーターを回す協調運転で、連結器への負担は、さらに軽減されたのだ。

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