追憶碓氷峠 28

タビ

そもそも碓氷峠区間は、一般の鉄道とは考え方が異なる。この区間は実質的に「閉鎖された専用運転区間」とされた。列車は、信号保安システムによって厳重に管理され、勝手に人や車が入る踏切も存在しない。そのため運転士は、「前方に何かあるかもしれない」ではなく、「信号システムが安全を保証している」という前提で運転していた。

しかし、前方には誰もいなかったのか? と言うと、そうではない。実はいたのだ。特急「あさま」などの電車列車では、先頭運転台に機関士(後には運転士)が乗務していた。ただし主導権はEF63側である。前方乗務員は 前方監視・異常発見時の報告・非常時対応 などを担当していた。

つまり2人で見ていたのだ。軽井沢向け登りでは、EF63運転士は ①力行 ②ブレーキ ③速度管理 ④車上信号確認などを行う。一方、列車先頭の乗務員は ①前方監視 ②異常発見 ③非常停止 という役割分担だった。主な連絡手段は 有線の「列車電話」 と 無線(列車無線)を用いた。

また協調運転時であっても、特急「あさま」の先頭車両から、非常ブレーキを作動することが出来た。これは、EF63運転士に電話連絡していたのでは間に合わない緊急事態に、対応したしくみである。非常ブレーキが作動すると、「あさま」全車両で非常ブレーキがかかり、EF63側では ①空気ブレーキ ②発電ブレーキ(条件による)  ③電磁吸着ブレーキ が連動して作用するよう設計されていた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました